Vol.1 デザイナーが語る、葉の影をデザインした”Foresti(フォレスティ)”誕生秘話
DI CLASSE(ディクラッセ)社長兼デザイナーの【Domei】が、デザインした照明1つ1つの誕生秘話やストーリーを語る「Domei’s Voice」始まります!
第一回目は、DI CLASSEのアイコン的存在の「Foresti(フォレスティ)」です。もしかしたらドラマやお店でご覧いただいている方もいらっしゃるかと思います。森を想像させるこの照明、どうやって誕生したの?それでは語ってもらいましょう!
「木漏れ日」をデザインした照明
「Foresti」と言う名前は「forest(森)」と「interior(インテリア)」を合わせた造語です。Foresyという「森のような」を意味する単語がありますが、語尾の” y “をインテリアの” i “に変えて、「森をインテリアの中に取り入れる」という意味を込めました。
そしてこのランプは、初めて私が「影」をデザインした照明器具です。木漏れ日と言う発想の照明器具は世の中になく、葉っぱの影をデザインすると言う新たな挑戦をしました。それは大変時間のかかったものでした。
イミテーションの葉っぱを吊り下げてサンプルを何度も作りあげていったのですが、初期の試作品ではまるでお化け屋敷のような形状になっちゃいました、笑。
試行錯誤は1年かかり、確か夏の暑い東京の35度の気温だったと思います。点灯すると、一瞬涼しさを感じました。社員にも実験に参加してもらいました、同じように一瞬涼しさを感じたそうです、(言わせただろう~)笑。
脳が記憶する20万年前からの「癒し」
確かグリーンを見ると人間誰しも癒されると聞きました。もう少し脳科学を勉強してみようと努力していくと、脳内の過去の記憶データが、「感じる」と言う感覚のスイッチを押してくれるそうです。
頭脳はあまり進化しない代わりに20万年前の記憶は引き継がれていて、例えばこんな話があります。古代人間は蛇に襲われて命を落とし、蛇をとても恐れていました。その過去の経験が引き継がれ、蛇を見た瞬間に「蛇は人間には危険」という記憶データが残っていて、勝手に脳が「蛇が怖い!」という感情の信号として発信しているからだそうです。(だから危険を察知してすぐに逃げられるんですね!)
これと同じ事で、「木漏れ日」は、古代に人間が太陽光を遮る為に木の下に入る事で癒やされたり、涼しさを感じていた事を20万年前から脳は記憶していたのでしょう。それが、一瞬涼しさを感じた原因なのだと思います。
自然を突き詰めてデザインしていくと、様々な事が見えてきます。今も森羅万象の自然界から新しく発想したデザインを研究しています。枝のデザインや、雲のデザインを研究中ですので、またご紹介致します。
※上下の写真は、フォレスティより小さなサイズのミニフォレスティ ペンダントランプです
追伸:Parisのメゾン エ オブジェという展示会に2007に出展した時のお話ですが、Parisのバイヤーから、「イミテーションの葉っぱは嫌いなのよ~」と唐突に毛嫌いされた事があったんです。私が、「これは葉っぱの影をデザインしました」と説明したところ、壁に映った木漏れ日のような葉の影を見て驚いたように口を開き「素晴らしい!確かに影をデザインする照明ってないわね~!普通は形をデザインしているけど、影をデザインしてるデザイナーはあなただけよ~‼️あなたは素晴らしい!」という言葉を戴き、購入してくださいました。笑!とても、よい勉強をしました。
by Domei
今回紹介した照明: Foresti シリーズ
大きなサイズのフォレスティ グランデ ペンダントランプはこちら
小さめのサイズのミニフォレスティ ペンダントランプはこちら