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2018-02-26

Vol.3 デザイナーが語る、アルル地方で見かけた女性の帽子がモチーフの”Arles(アルル)”ストーリー

DI CLASSE(ディクラッセ)社長兼デザイナーの【Domei】が、デザインした照明1つ1つの誕生秘話やストーリーを語る「Domei’s Voice」
第三回目は、旅先のアルル地方で見かけた女性の帽子がモチーフという「Arles(アルル)」です。海外の有名セレクトショップでも販売開始となったこちらの照明について語ってもらいましょう!

アルル地方で見かけた女性の帽子がモチーフのArlesストーリー

アルル地方の民族衣装を着た女性の帽子がモチーフ

フランスParisでの展示会メゾンエオブジェに出展する度に旅に出て、フランスでも受け入れられるデザインにする為にアンテナを立てて歩きまわっていたのですが、アルルの町で、川沿いに民族衣装を着た女性が風に吹かれて帽子を触っていたのが印象的で、ふとアイディアが浮かんできました。

アルル地方で見かけた女性の帽子がモチーフのArlesストーリー
民族衣装をまとったアルルの女性。帽子がデザインのヒントに。

腕の曲げたところがアームになり、帽子はカップ型にしたり、お椀型にしたり、サンプルを7つ位は制作しました。三本足のランプには転倒の基準値をクリアーしなければなりません。試作、転倒テストを繰り返し、2年以上はかかってしまいました。

アルル地方で見かけた女性の帽子がモチーフのArlesストーリー

何度も型を作っていると、アルルの女性が帽子に手をかけている形に近づけられました。華奢な女性を表現する為に極力細い丸棒を使用しましたが、折れては困るので、基準値ギリギリの細さを追求。
シェードの帽子のお椀型は小さ過ぎて温度検査も基準値ギリギリ。照明器具は、基準値に達するためにクリアーしなければならない条件が沢山あるので、いつも苦労しています。

売れ行き不調からの逆転劇。海外有名セレクトショップからのオファー

日本でまずテスト販売をしましたが売行きが良くなくて、国内販売を中止にするか検討をしていた頃、Londonでの展示会で思わぬ展開に。なんとTHE CONRAN SHOPのコンランさんの一発OKで導入が決まりました‼ 今から4年前の事です。

アルル地方で見かけた女性の帽子がモチーフのArlesストーリー
THE CONRAN SHOP Paris パリとロンドンでの導入が決まりました。

THE CONRAN SHOPはインテリアショップではなく、ライフスタイル店として世界をリードする初めてのショップです。ライフスタイルショップという言葉は今では一般的な言葉になりましたが、本来は椅子やテーブル、ソファーなどから、食器やランチョンマットなどのテーブルコーディネートまでをセットにして提案します。センスやバランスの良いコーディネイトは世界を圧巻したショップです。

ある時、ParisのTHE CONRAN SHOPに足を運び「Arlesのデザイナーです」と言うと、たくさんハグをしてくれました!
「200種類のランプがある中、1番売れてるよ~!ズゴイ~!ラブリー‼」と言ってくれました。

アルル地方で見かけた女性の帽子がモチーフのArlesストーリー
THE CONRAN SHOP Parisにて、ショップスタッフの方と。

日本のデザイン物はだいたい半年売り場にあれば良い方なので、「まだ販売してくれますか?」と尋ねると、「Arlesはロングセラーになるよね~。だって1番売れてるし。どうしたらこんな良いデザインができるの?」と。
そんな担当スタッフの言葉は世界で頑張ってきて良かったとデザイナー冥利につきます。嬉しかったな~!それからはコンテナでLondonへ運ぶ輸送コストや販売方法、在庫管理、ミニマムオーダーやレート換算での価格設定を。
Londonの定価設定やEUの定価設定、展示会のデザイン、次の商品開発など、まだまだ仕事は山盛り!
THE CONRAN SHOPにはオリジナル商品を製作して欲しいとか、Arlesを導入後、違う色を作ってくれないかと依頼されたり、フロアランプを販売して欲しいとリクエストをいただきました。(現在実際にフロアランプを作製して販売しています。)

アルル地方で見かけた女性の帽子がモチーフのArlesストーリー
製品化したArlesフロアランプ。

今年はロンドン、パリに続き初参加のドイツ(ケルン)imm展示会にてArlesを展示し好評をいただきました。ディクラッセは今後世界ブランドとしてもっと成長していきたいと思います!
by Domei

今回紹介した照明:Arles
アルル デスクランプの詳細はこちら
アルル フロアランプはこちら
他に、アルル ウォールランプもございます こちら

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